NIRS次世代PET装置開発

<5> PET検査における体動計測・補正の研究

北里大学 医療衛生学部 医療工学科
村石浩,長谷川智之 (Muraishi Hiroshi and Hasegawa Tomoyuki)

http://www.ahs.kitasato-u.ac.jp/~muraishi/


1. はじめに

今日の医療現場では、X線CT、MRI、核医学検査等による医用画像診断装置を用いた高度な画像診断が広く普及しており、これらの特殊装置を扱う「診療放射線技師」、実際に画像診断を行う「放射線科医」、更には診断装置の開発研究を行う産官学に渡る「理工学系研究者」の活躍が極めて重要視されている。

一方で、このようなさまざまな診断装置を用いて撮影される「被験者側の精神的・肉体的負担」は大きな問題である。すなわち、撮影中における被験者の動きは、診断画像のアーチファクトや劣化の原因となることから[1]、特に、検査時間が数十分と長時間に渡る核医学検査においては、撮影中、被験者は長時間静止し続ける必要があり、時には器具等により強く束縛され続ける必要がある。このような背景の中、もし「体の動きを強く束縛する必要のない診断装置の開発」が実現できれば、被験者の精神的・肉体的負担を大幅に軽減することが可能となるであろう。このほとんど唯一の方法として、検査中における体の動きを別途計測しておくこと(体動計測)で、後の画像解析時において検査中における被験者の3次元的な動きを補正すること(体動補正)により、あたかも静止した状態の良質な再構成画像を得る方法が考えられる。この「体動計測」+「体動補正」に関する研究は、SPECT、PET、MRI等の分野で、国内外でこれまでさかんに研究が行われている。

本稿では、PET検査における体動計測・補正に関して、昨年の10月にローマで開催されたIEEE medical imaging conferenceでの発表演題等をもとに、とりわけ「頭部動き計測・補正」に関する研究の現状を簡単にレビューした後、現在、放射線医学総合研究所が中心となって開発を進めている次世代PET装置であるjPET-D4[2-3]に対して、我々が新しく提案中である頭部動き計測法[4-5]について紹介する。


2. PETにおける体動計測・補正法

PET検査における体動計測・補正に関する研究は、その撮影対象を背景として、「頭部動き」と「呼吸による胸部動き」におおよそ大別される。頭部動きの計測においては、頭部をひとつの剛体と考えることにより、剛体の3次元的動きをいかにパラメータ化するかが重要となる。また、胸部動きの計測においては、呼吸による周期的な動きと同期を取りながら胸部の3次元的動きをいかにパラメータ化するかが重要となる。これらの研究は、特に欧米が先行しおり、中には実用化レベルに達しているものもある。

図1は、PET検査でこれまでに考案されている体動計測における標準的手法の模式図を表している。PETにおける体動計測は、その多くがこれまでSPECT等で先駆的に行われてきた計測手法を応用する形式が主流となっている。すなわち、被験者の表面に「複数の点状マーカ」を取り付け、これらを「複数の撮影装置」で立体視しながら、それぞれの点状マーカの3次元的位置の時間変化を計測し、被写体の体動に関するパラメータの導出を行う。なかでも、Polaris(Northern Digital Inc.)などの市販光学トラッキング装置を用いた計測が主流となっている[6-9]。Polarisは、Computer Graphicsを用いた映画撮影やリハビリテーションの分野などで使用されている3次元運動計測装置であり、剛体に取り付けられた複数の赤外線カメラの前方に取り付けられた点状の赤外線反射マーカの3次元的な動きを、1秒あたり60フレームの時間分解能において、0.35mmの位置決定精度で追尾することが可能なシステムである。

図1 PET検査でこれまでに考案されている一般的な体動補正法の模式図.
(「複数のカメラ+複数の点状マーカ」による手法)

一方、非常に高価な市販装置の代わりに、複数の光学カメラ(インターネットで使用するWebカメラなど)を用いた比較的安価なシステムの開発も行われている[10-11]。国内においても、国立循環器センター・渡部らや浜松医療セ・尾内らも頭部動きの計測手法に関する考察がある[12-14]。また、全く新しい試みとして、長寿研究所・河津らは地域産業や奈良先端大学院との連携によりマーカを用いない頭部動き計測手法の開発を進めている[15]。マーカを用いない計測手法は、これらの分野の研究領域を大きく発展させる鍵であり、今後の活躍に期待がかかる。

PETにおける頭部動き計測では、頭部動きの3次元的な動きを実現するために、6つのパラメータの導出を行う。すなわち頭部をひとつの剛体と考えたときの、その剛体の動きを表す6つのパラメータ(x, y, z, f, b, g )(ここで、 x, y, z は位置情報、 f, b, g は回転角情報)を計測する。現行のPET装置において頭部動き補正を行う場合に最低限必要となるこれらのパラメータの精度としては、その再構成画像の空間分解能(〜数ミリ)の制約等から、おおおそ1秒あたり数十フレームの撮影条件において位置情報については<1mm、回転角情報については<0.5°が少なくとも必要であり、高分解装置ではより高い精度が求められる[8]。

上記で述べた「体動計測」により得られた被写体の3次元的動きを表すデータを用いることにより、次に、PET装置本体により得られたデータの補正、すなわち「体動補正」を行うこととなる。図2に、頭部動き補正の模式図を示す。左図中の黒い星印は、ある時刻における頭部内で消滅γ線が発生した場所を表している。これらの消滅γ線は対方向の矢印の延長上にある検出器ペアにより同時計数される。ここで、右図のように、これらの検出器ペアを結んだ直線(これをLOR(line of response)と呼ぶ)を考え、頭部計測により得られたパラメータを用いて初期静止状態の頭部位置へ3次元座標変換を行うことにより、初期静止状態における同時検出位置を予想することができる。このように、LORの座標変換を行うことをリビニングと呼ぶ。

図2 頭部動き補正におけるリビニングの原理.

頭部動き補正におけるリビニング法は、PET装置により得られるデータ形式(ヒストグラムモード or リストモード)の違いにより、おおよそ2つの方法に大別される。ヒストグラムモードとは、従来のPET装置で長い間使用されてきた方法であり、数分あるいは数十秒ごとに分けられた各フレームごとに、同時計数イベントの位置情報をヒストグラムとして蓄積していく方法である。そのため、体動補正としては、それぞれのフレームごとのヒストグラムに対して、そのフレームを撮影した時間における平均的な頭部位置によりリビニングを行っていくことになり、この種の方法はMAF(multiple acquisition frame)法などと呼ばれている[16]。また、リストモードとは、近年、一部のPET装置でその導入がようやく可能となった画期的な方法であり、全同時計数イベントの時間・位置情報をデータとしてすべて蓄積していく方法である(jPET-D4はこの方法を採用している)。そのため、体動補正としては、同時計数された位置(を結ぶライン)を各イベントごとに直接リビニングすることが可能であり、この方法はLORリビニング法[17-18]と呼ばれている。

最近、Fultonらは、上記の2つの方法を用いたファントム実験の結果から、最終的に得られる再構成画像において、後者(LOR法)の方が前者(MAF法)より精度が向上すると結論している[19]。また、通常行われる吸収補正についても、体動による影響の補正を考慮する必要がある。吸収補正とは、消滅γ線が放出されたLORごとに吸収による影響を補正するものである。すなわち、吸収補正を行うために検査前に行われるトランスミッションスキャンにより得られたγ線の吸収係数分布は、初期静止状態における分布であるので、上記で述べたリビニングの際に、この吸収係数分布も考慮する必要がある。

さて、放射線医学総合研究所を中心に、現在、次世代PET装置の開発が進んでいる。本装置に関する詳細は、本シリーズの先の解説に譲るとして、ここでは体動計測の立場から考えた場合、jPET-D4は、従来のPET装置と比較して、患者ポートが狭いことから、従来の方法を適用することが困難(複数のカメラにより立体視することが困難)な状況にあり、新しい独創的な新手法の提案が必要となっている。そこで、本次世代PET装置開発では、これらの内容を視野に入れ、現在、新しい体動計測法の検討を独自に進めている。次節以降で、我々が考案した新手法の原理、及び予備的な結果について紹介する。


3. 新しい頭部動き計測手法の提案

図3 我々が提案する新手法の模式図.(「1つのカメラ+1つの立体マーカ」による手法)

図3は我々が考案した頭部動き計測システムの模式図を表している。本システムでは、被験者の頭部に「1つの立体マーカ(複数の点状マーカを含む)」を取り付け、「1台の撮影装置」により撮影を行い、撮影された立体マーカの形状から、頭部動き補正に必要な3次元的動きのパラメータの導出を行う。ここで、撮影された画像内の横軸と縦軸は、図3における水平方向(x軸)及び垂直方向(y軸)にそれぞれ一致すると仮定する。図4は、撮影された立体マーカの画像から3次元的回転角 f, b, g を導出するための原理を表している。

図4(a)は、立体マーカを正面、および側面から見た図である。ここでは、立体マーカは円錐型を仮定しており、図に示すように表面に4つの点状マーカが取り付けてある。この立体マーカをx-y平面上で f だけ回転させたのが図4(b)である。ここで、図4(c)に示すようにx-y平面におけるy軸とy'軸とのなす角を b と定義し、更にy'軸を軸として回転した角度を g と定義する(すなわち、g はx'-z平面におけるz軸の回転角である)。もし、撮影された動画の各フレーム画像から4つの点状マーカの位置( x0 , y0 ), ( x1 , y1 ), ( x2 , y2 ), ( x3 , y3 )及び立体マーカの底面の中心位置( xs , ys )の情報が得られた場合、立体マーカの位置 x, y 及び回転角 f, b, g は、近似的にそれぞれ以下の式で求めることができる。

ここで、 f1 , f2 , f3 はそれぞれ以下のように表される(ただし、 hh' は図4(a)のように定義される)。

図4 立体マーカによる回転角測定の原理.

ここでは、立体マーカの底面の中心( xs , ys )を立体マーカの位置( x , y )と定義している。すなわち、撮影された立体マーカの投影像(楕円形の像)の重心位置が、立体マーカの位置( x , y )そのものとなる。以上より、1台の撮影装置により得られた画像から位置( xs, ys ), ( x0 , y0 ), ( x1 , y1 ), ( x2 , y2 ), ( x3 , y3 )を導出できれば、式(1)-(8)を用いて立体マーカの3次元的動きを示す5つのパラメータ( x, y, f, b, g )を求めることが可能となる。


4. 追尾精度の評価

この節では、前節で述べた新手法の有用性に関する予備実験の結果について紹介する。

図5 我々が提案する新手法によるシステムと市販装置を用いた追尾精度評価に関する予備実験の模式図.

図5は、我々が先に行った予備実験の模式図を表している。立体マーカとしては、r = 10cm, s = 2.5cm, h = 5cm, h' = 3cmのサイズのものを黒い厚紙で独自に作成した。撮影装置としては、インターネットで使用されている市販の光学Webカメラを使用し、図に示すように立体マーカからz方向に約70cm離れた位置に配置することにより撮影を行った。撮影条件としては、マトリックスサイズ640×480pixels、フレーム数15fpsを採用した。撮影された動画は、USBを経由してリアルタイムでWindows PCに転送され、.avi形式にて自動的に保存される。今回の予備実験では、立体マーカが被験者の頭部に装着されていることを想定して、立体マーカを手で動かしながら30秒間の撮影を行った。

次に、撮影された動画ファイルを各フレーム画像(8-bit binary format)に変換した後、独自に開発したプログラムにより、各画像においてマーカーの抽出を行う。初めに、閾値処理にていくつかのクラスターに分割した後、クラスタリングアルゴリズムを用いて、立体マーカ、及び点状マーカを抽出し、抽出された画素に対してそれぞれ特定のフラグナンバーを設定することにより、それぞれのフラグナンバーを持つピクセル集団ごとに重心位置を計算する。

最後に、式(1)-(8)を用いて、立体マーカの3次元的動きを表す5つのパラメータ(x, y, f, b, g)の計算を行う。本手法の1つの特徴として、マーカーの抽出が比較的容易であることが挙げられる。我々が採用した立体マーカは一様な背景(ここでは黒色)をもち、その中に点状マーカ(ここでは白色)が位置していることから、解析時にマーカの識別が容易となる。また、我々は上記の立体マーカ以外に、「白い立体マーカ+黒い点状マーカ」の組み合わせでも予備実験を行ったが、「黒い立体マーカ+白い点状マーカ」の組み合わせの方が解析が容易であった。

一方、上記で述べた実験の際、市販装置であるOPTOTRAK(Northern Digital Inc.)を用いて同時測定を行った。図6は、北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科に設置されているOPTOTRAKを用いた同時測定の様子である。OPTOTRAKは、先に述べたPolarisの上位機種で、複数の赤外線カメラを用いてその前方にある赤外線反射マーカの位置を計測するシステムであり、最高1500Hzのサンプリング間隔で約0.1mmの位置決定精度を持つ。今回の実験では、立体マーカが取り付けられているボードの周囲に6個の赤外線マーカを取り付けることにより同時に測定を行い、得られた位置情報から、3次元的位置 x, y 及び回転角 f, b, g を、リファレンスとして導出した。

図6 実験の様子.(左:OPTOTRAK,右:光学カメラと立体マーカ)

図7上段は、光学カメラにより撮影された画像を表している。これらの画像(320×240pixel)は元画像(640×480pixel)の中心部分を拡大表示してある。ここで、画像の1pixelは約1mmに相当する(光学カメラと立体マーカまでの距離を70cmと仮定)。この写真より、ボードに取り付けられた立体マーカと赤外線反射マーカをはっきり識別することができているのが分かる。また、図7下段は、画像処理後のフラグ画像を表している。ここでは、各マーカごとに特定のフラグナンバーを割り当ててある。この図より、各々の画像において立体マーカの投影像と4つの点状マーカがはっきりと抽出されているのが分かる。

図7 上段:光学カメラにより撮影された画像,下段:及び画像処理後のフラグ画像.

図8は、最終的に計算された立体マーカの位置 x, y 、及び回転角 f, b, g の時間変化を表している(それぞれ左上、右上)。ここで、我々のシステムによる撮影の最中に同時に行ったOPTOTRAKによる20秒間の測定結果もリファレンスとして示してある。これらの結果より、我々のシステムにより立体マーカの動きがほぼ正確に検出されているのが分かる。また、両システムにより得られた各々のパラメータ値の差をそれぞれ図8下段に示してある。

図8 予備実験により得られた立体マーカの位置 x, y (左図),及び回転角 g , b , f (右図)の時間変化.

ここで、この結果を見ると、特に回転角 f, b, g において、緩やかに変化する系統的な誤差が生じているのが分かる。この主な原因として、「今回自作した立体マーカの精度(特に点状マーカの取り付け位置の精度)の問題」が挙げられる。この問題を改善するため、現在、アクリル製の精密な立体マーカの製作を行っている最中である(図9)。更に、「光学カメラの視野内における回転角の位置依存性に関する補正」や「光学カメラの撮影条件(マトリックスサイズ、フレーム数)の改善」等も行っていく余地がある。これにより、必要な精度が得られると期待している。

図9 現在製作中のアクリル製立体マーカ.


5. z方向のモデル計算

ここでは、z方向の動きに関する間接的な導出法について議論する。従来の体動補正手法では、複数のマーカを複数のカメラにより立体的に撮影することによりz方向の変化量の導出が可能となっている。しかし、本手法では1台のカメラで撮影しているため、その直接の導出が原理的に困難である。しかし、PET診断中における被験者の頭部動きのみについて限定して考えた場合、z方向の変化量は、簡単なモデル化を行うことにより、他の5つのパラメータ(x, y, f, b, g)の関数として間接的に導出することが可能であると考えられる。ここでは、いくつかのモデルを提案する。

まず、図10(a)は、頭部動きを1つの支点で表したモデル(1支点モデル)である。ここで、支点の位置を図10(a)に示すように、例えば左右の肩峰を結んだ線と正中線との交点付近として定義する。このモデルでは、立体マーカの移動位置は、支点を原点とした球対称な位置となる。ここで、図中の点線は、3次元の任意の角度方向に回転(移動)した後の頭部を表している。すなわち、支点−マーカ間距離を d と仮定することにより、z方向の変化量は f (x, y) で表すことが可能である。

図10 PET検査における頭部動きモデル.(a)1支点モデル,(b)2支点モデル.


更に、図10(b)は、2つの支点で表したモデル(2支点モデル)である。ここで、1支点モデルで定義した支点(支点1)に加えて別の位置(例えば上部頚椎付近)に支点2を定義する。このモデルでは、支点間距離を d1 、支点−マーカ間距離を d2 と仮定することにより、z方向の変化量は f (x, y, f, b, g ) で表すことが可能である。また、主成分分析によりパラメータ間の相関係数を導出する方法も検討中である。今後、改良された立体マーカを用いた更なる予備実験により得られたデータを用いて、これらのモデルにより導出されたz方向の変化量の有意性についても議論していく予定である。


6. jPET-D4への実装と補正アルゴリズム

ここまでは、計測手法について述べてきたが、jPET-D4装置に本手法を実装し体動補正を実現するには、補正アルゴリズムの開発も重要な課題である。第2節の後半で述べた通り、体動補正は、動きにあわせて同時計測にかかわる放射線検出位置を仮想的にシフトさせるリビニング手法を基本とするが、具体的にはリストモードデータ収集手法や画像再構成手法の開発とあわせて考えてゆく必要がある。このとき、リビニングに伴うノーマリゼーション因子の取り扱いなど、多くの検討課題が残されている。例えば、リストモードデータ収集では、補正後のイベントによっては、その同時計数位置が実際の検出器からはずれてしまうと、逆にこれらのイベントは除去されてしまう場合があり、再構成画像の画質低下の原因となりうるため、その補正が必要となる[19]。

また、jPET-D4では、4層のDOI検出器を使用していることから各々の検出素子を結ぶLORの数が膨大となり、計算コストが増加するだけでなく1検出素子対あたりのγ線検出数の減少に伴い補正用データの統計精度が低下してしまう問題がある。しかし最近、DOI-PET観測系の冗長性に注目して、空間解像度を劣化させずにDOIデータを束ねるDOIC(DOI compression)法がYamayaらにより提案され、上記の問題を改善することが可能であることが示された[20]。今後、この手法に体動補正データを組み込んだアルゴリズムの開発が重要な課題である。


7. 最後に

本稿では、我々が新しく提案する「1台の立体マーカ+1台の撮影装置」によるシステムにより、頭部動き計測(とりわけ5つのパラメータの直接測定)が可能であることを示し、更に市販装置であるOPTOTRAKとの同時測定との比較においても十分一致する結果を示した。

本手法は、従来提案されている「3つ以上の点状マーカ+2台以上の撮像装置」と比較して、

  1. jPET-D4装置特有の細長いトンネル状空間での測定が可能であること
  2. 1台の撮影装置にて容易に撮影することが可能であること
  3. 立体マーカと点状マーカを抽出するのが容易であること
  4. 低コストでの製作が可能であること
といった非常に優れた特徴を備えている。今後、jPET-D4へ実装することによりさまざまな評価を行っていく予定である。更に、本手法で蓄積した技術・知識・経験をもとに、頭部以外の体動計測・補正へと発展できたらと考えている。



参考文献

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